【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第25章 証
--8月の最終週、火曜日--
「グレイス、夏休み明けの実力テストの手応えはどうだ?」
「ん~、まぁまぁ良い感じかな?」
「ふ、そうか。グレイスがそう言うなら安心だ」
ノクトよりも一足先に二学期が始まったグレイスと共に食卓を囲む。互いに忙しい日々を過ごしている中での憩いの時間だ。
「うん、残りのテストも頑張るよ。
あとさ、今週の金曜日はノクトお兄ちゃんのお誕生日だね。
イグニスこそその準備で忙しいのに、私のところに寄ってくれてありがとう」
そう、明々後日の金曜日はノクトの17歳の誕生日だ。
次期国王の誕生日ともなればそれは各方面のVIPを招いての大々的な祝いの席になる、のだが…
「当の本人は始まる前から辟易しているがな」
「まぁね。特別親しくもない人に形式ばっておめでとうって言われてもね。
しかもノクトお兄ちゃん、人前に出るの基本好きじゃないし」
「あぁ」
早々にパーティ会場から抜け出したがる主役と、ここぞとばかりに自分自身や自分の娘との縁を結びたがる参加者たち。
そのことに疲弊して本格的にノクトがヘソを曲げてしまわない程々のところで抜けられるように算段する。
その後、ノクトが抜けたと知った参加者から大量の言付けを頼まれるところまで含めてオレの仕事で、どれも毎年のことだ。
「パーティが終わるまでは準備だったり、当日のノクトお兄ちゃんのサポートだったりで忙しいと思うけど、その後の週末はお休み取れそう?」
「もちろんだ。今週末は特に予定もないからな。久しぶりに二人でゆっくり過ごそう」