【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
キスの余韻に少し照れながら二人一緒に初めての朝食を作って食後にソファで二人並んでお茶を飲んで。穏やかに心満たされる時間を過ごしていた矢先。
「グレイス、すまないがオレは昼前にはここを出る予定にさせてもらう」
「えっ。お仕事、今日は夕方の訓練からじゃないの?」
「仕事はそうなんだが…最近忙しくてノクトの部屋にもずっと行けていなくてな。
恐らく、そろそろ行って掃除をしてやらないとまずい」
「あー………」
前にノクトお兄ちゃんから聞いたことがある。部屋を汚しすぎて「虫が出る」と…。
もっとイグニスと一緒にいたいのに。こんなことになるなら、私が時々ノクトお兄ちゃんのお部屋様子見に行ってれば良かったかな…。
「私も一緒に、お掃除のお手伝いしようか?」
「グレイスもか?
…いや、その申し出は嬉しいがさすがにあの部屋の手伝いをさせるのは気が引ける」
しかもこの季節だ…、と溜め息をつきながら眉間に皺を寄せるイグニス。あぁぁ…とっても申し訳ない。
「本当にいつもお疲れ様…。せめてここにいる間だけでもゆっくりしていってね…」
「あぁ、ありがとう。
ゆっくりと言えば、グレイスの学校は10月に秋休みがあったはずだな。日にちを教えてもらっても良いだろうか?
その辺りに夏季休暇をずらして取得しようと思っているんだ」
「わ! 本当!?
すぐ確認するね、…今年は第三週の平日が秋休みだよ」
「わかった、そこに合わせて調整しておこう。
時々ノクトの方へ顔を出すとしても、一週間くらいは一緒にいられるんじゃないかと思うぞ」
「えーっ! すっごく楽しみ!!」
「はは、オレもだ」
そう言ってイグニスは私を抱き寄せて頭を撫でてくれた。
…嬉しい。すごく、嬉しい。
8月は、家族のいる警護隊員が優先的に休みを取ることが多いらしい。
そして、ルシスの中でも秋休みがある学校はかなり珍しい。
これまでは、まだ厳しい暑さが残る中で一般的なスケジュールより一週間夏休みを早く切り上げられることに若干不満があったけど、ちょうど良くイグニスと都合が合わせられるなら大歓迎だ。
少し先の心躍る予定に胸を膨らませ、やりたいことや行きたい場所などを二人でピックアップしながら残りの時間を過ごした後、ノクトお兄ちゃんのお部屋へ行くイグニスを見送った。