【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
簡単な昼食を作って食事をすれば、自然と話題に出るのは映画のことだった。
「グレイスはさっきの映画で、どこか印象に残ったシーンはあるか?」
「う~ん、いくつかあるけど…やっぱり二人魔法の絨毯に乗って夜空のお散歩に行くシーンかな!
ロマンチックだし、何より夢があるよね。あーぁ、私の魔法にもあんなこと出来る力があれば良いのに。」
「はは、確かにあんな風にグレイスと二人、ゆったりと景色を眺められたら楽しそうだな。
もしそれが叶うとしたらグレイスはどこに行ってみたいんだ?」
「そうだなぁ…インソムニアと大陸を繋げるビッグブリッジがあるでしょう? それを見に行ってみたいな」
「あれか。確かにそこの夜景は評判が良いと聞くな」
「うん。真っ暗な海の上に、浮かび上がるようにライトアップされたビッグブリッジ…綺麗だろうなぁ…。
現実的には魔法障壁の外だし、行くことは叶わない夢なんだろうけど…」
「…そうか」
「あっ、何か暗い雰囲気にしちゃってごめんね!?
イグニスは? 何が印象に残ってる?」
「ん、あぁ…。
オレか、オレは…王女が大臣に屈せず、自分の成すべきことをするべく立ちあがった時だな。
国の為、未来の為に自分の強い意志を持って行動するところがグレイスに重なってな」
「え、えぇっ。わ、私はそんな格好良いものじゃないよ…。
昔は敵国の人質に甘んじようとしてただけだし、その考えを改めることが出来たのはイグニスのお陰だから…」
「それを言うなら、オレがここまで努力してこられたのはグレイスのお陰だ。お互い様、だな。
『オレを信じて』、新しい道へ飛び込んでくれてありがとう」
「…うん」