【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第5章 衝撃
「私だって大好きなイグニスと離れたくないよ!
でも………本当に、いいの…?」
涙に濡れた大きな瞳が揺れる。
グレイスは、不安なんだろうと思った。
失う悲しみ、奪われる悲しみに直面したからこそ、そうなる前に大切なものを自分から遠ざけようとした。
それならグレイスが不安に思わなくなるくらい、オレが強くなろう。自分の身も、グレイスのことも、どんな脅威からも守れるように。
だから…
「うん。本当に、いいんだよ。
だから、本当に甘えて、
心許して、
また今日みたいに辛いことがあればいつでも僕に話して。
どうか、一人で抱え込まないで。
グレイスの力になりたいんだ」
グレイスを純粋に大切に想っていることを伝えると、深い青の目からより一層大粒の涙が溢れた。
でもそれはさっきまでの悲しみ一色のものから、安堵のような感情も混ざっているように感じられて、オレは僅かながら心が軽くなる思いがした。