【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第23章 夢
翌朝。
いつも通り、学校に行くための身支度をしているとスマートフォンから電話着信を知らせる振動音が響く。
こんな朝早くから誰だろう、という気持ちで手に取れば、そこにはイグニスの名前が表示されていて ドキン と心臓が高鳴る。
「わ…うそうそ、何で?
…はい。イグニス、朝からどうかしたの?」
「おはよう、グレイス。
ちゃんと起きていたか?」
耳に心地よい、甘やかなイグニスの声にのった朝の挨拶が届く。
「ぉ、おはよう…
えっ? うん、もちろん…
あれ、もしかして私、寝坊を心配されてた?」
「はは、昨日遅くまで連れ出してしまったからな、それもあるが…
一番はオレがグレイスの声を聞きたかっただけだな」
「!?
ちょっ…朝から何言って…!」
さらりと伝えられる愛情表現に慌ててしまう。
恋人同士になって、愛情を素直に受け取れるようになったとはいえ、心がそれに慣れたかどうかは別問題みたい…。
「ふ、相変わらず可愛らしい反応だ。
そんな声を聞いていると、声だけじゃなく顔も見たくなってしまってダメだな。
ちゃんと起きているならそれで良い。
朝の忙しい時間にすまなかったな。
ではまた。明日会えるのを楽しみにしているぞ」
「もう…またそんなこと言って…。
楽しみなのは私もだよ。
イグニスもお仕事頑張ってね、いってらっしゃい」
「ありがとう。
グレイスも十分気をつけて行くんだぞ」
「うん。じゃあ、またね」
一拍置いて通話終了ボタンを名残惜しい気持ちで押す。
「あぁもう…あんなこと言われたら私だって余計に会いたくなっちゃうじゃん…!!」
早く、早く明日にならないかな…!