【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第1章 はじまり
「ほーらグレイス、ぐるぐるぐる~!!」
「いやぁぁぁ!! もうやめてぇぇぇ!!!」
グラディオが私の両手を掴み、遠心力で両脚が浮かぶ程の勢いでグルグルと回してくる。
グラディオだってまだ小学一年生なのに、力強すぎ!
「うわぁぁぁん、イグニス~~~助けてぇ~!!」
「やめないかグラディオ! グレイスが本気で嫌がってるだろう!!」
「わ、悪かったよグレイス…じゃノクト、向こうで別の遊びしよーぜ!」
「あ…うん。グレイス、大丈夫?
ごめんねイグニス、グレイスのことお願いね」
バタバタと遠ざかっていく足音を耳にしながら、私はイグニスの胸にしがみついていた。
「ふぇぇぇ…ぃ、いうにす、いうにしゅぅ…怖かったぁ…ぐすぐすっ」
「よしよし…グレイス、もう心配いらないよ。
二人は別の場所に行ったからね」
「すんっ、すんっ…ん…ありぁとぅ、いぐにしゅ…ひっく」
「どうしたしまして。グレイスこそ振り回されて怖かったね」
私の心を落ち着かせるように穏やかな声で語りかけ、
なだめるようにイグニスは私の背中を撫ながら、そっと涙を拭いてくれた。
そんな優しいイグニスのことが、私は物心ついた頃から大好きだった。