【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第22章 FINAL FANTASYワールド
--五月下旬の週末、早朝。ノクトの部屋--
ピピピピピ、とスマートフォンから起床時刻を知らせるアラーム音が聞こえてくる。
「…もう起きる時間か。
ほら…二人とも起きてくれ、出掛ける準備をするぞ」
「え…、もうそんな時間…?
まだめちゃくちゃ眠いんですけど…」
「だから早く寝ろと言ったのに。二人して夜更かしするからだ。
ノクト…こらノクト、シーツを被るんじゃない、起きるんだ」
「ん…? ん~…」
オレは朝が弱い主の為、プロンプトと一緒にノクトの部屋に昨晩から泊まっていた。
グラディオはイリスを連れてくるから、直接自宅からFFワールドに向かうらしい。
部屋のカーテンやブラインドを開け放つと、まだ早い時間だが今日一日の晴天を予想させるようなすっきりとした青空が広がっていた。
これならパレードの後に催されるという夜の花火も期待出来そうだ。
「んぁ…眩しい…」
差し込む日の光に当てられて、ようやくノクトの意識が覚醒し始めた。
「起きたな」
「そうでもない」
「準備しなくて良いのか? お前もFFワールドを楽しみにしていたと思っていたんだが。
ほら、外を見てみろ。どうやら絶好の遊園地日和のようだ」
「おっ、オレも見てみよーっと。
わーぉ、いいじゃん! 超晴れてる~!
ほら、ノクトも起きて起きて!」
「ん゛ん゛っ…!」
ぺちぺちっとプロンプトに頬を叩かれて鬱陶しそうに声を上げてはいるが、ノクトの目が少しずつ覚めてきている様子が見て取れる。
「その調子で頼むプロンプト。
オレはコーヒーと簡単な朝食を用意するから、その間に二人は目覚ましも兼ねて顔を洗ってきてくれ」
「はーい、りょうか~い。
ほらほら王子様、朝のお仕度致しましょうね~」