【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第3章 真の王とは
ノクトとグレイスは王子と王女といえども、レギス陛下の『出来るだけ普通の子どもと同じように過ごさせたい』というお考えの元、二人は今幼稚園に通っている。
兄妹一緒に通えるのは楽しいらしく、園で覚えた歌やダンスを二人でオレに披露してくれる様子はとても微笑ましかった。
グレイスは『幼稚園の先生みたいにピアノ弾けるようになりたい!』とピアノを習えるように最近レギス陛下にお願いしたようだ。
そんな子どもらしい生活もある中、ノクトが5歳になってしばらくした頃、レギス陛下からノクトがクリスタルに『真の王』に選ばれたと聞かされた。
「ノクトお兄ちゃんが真の王って…
お父さんや今までの王様達と何が違うんだろう…?」
「そんなの…僕にもわからないよ…」
「何か違う、特別な使命や役割があるということだろうか…」
「特別な、使命…?
………ノクトお兄ちゃん、ぎゅー」
少し考え込んだ様子を見せた後、グレイスはそう言ってノクトを正面から抱きしめた。
「わ、何グレイス。急にどうしたの?」
「ノクトお兄ちゃん…グレイスは真の王にはなれないのかもしれないけど、
グレイスもお父さんやノクトお兄ちゃんと同じ魔法の力持ってるから…困った時は絶対絶対グレイスが大好きなノクトお兄ちゃんのこと、助けるからね…!」
「グレイス…ありがとう。僕も大好きだよ」
それを聞いたグレイスは微笑み、ノクトの頬にキスをした。
ノクトもそれに戸惑うことなくグレイスの頬へキスを返す。
支えあおうとする兄妹の姿を見てオレも自然と言葉が出る。
「ノクト、僕もいる。ノクトを助け、支える。その為に僕もいるんだ。
だから、一人で抱え込んだりするなよ」
「うん。イグニスもありがとう、頼りにしてる」