【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第19章 未来の王と、その軍師
「は…はは。
まさかノクトにそんな説教をされる日が来るとはな」
正直に言えば、ノクトの発言内容に驚いて思わずフォークを取り落としそうになった。
だが、ノクトは元々幼い頃から人が傷つくことを強く悲しんだり、他人を庇うために自分を犠牲にすることも厭わない優しい子だったのだと改めて実感させてくれて、自然と口元が綻んだ。
「ふん、お前もグレイスも昔から人のことばーっか気にしやがって。
ガキの頃からずっと一緒にいるお前らのこと、オレだって大事に決まってんだろうが。言わせんなよ。
…あー、でさ。ちょっと先の話だけどよ、プロンプトがここで個人的にオレの誕生日祝いしたいって言ってくれてて、そん時イグニス飯作って?」
「あぁ、それは嬉しいお誘いじゃないか。
腕によりをかけて用意しよう」
「ん、頼んだ。
でさ、グレイスも誘ってやって、お前から。
多分その方がアイツも喜ぶ。
ま…ちょっとくらいならイチャついても許す。
アイツ最近寝れてねーくらい色々悩んでるっぽいからさ…
楽しい時間にしてやって」
「わかった。
ノクト…ありがとう。
心優しい主でオレは幸せだぞ?」
「おう、ありがたく思え」
幼い頃のように二人で顔を見合って笑い合って、
胸に押し込んでいた未来への不安や苛立ちを話し合って。
ぐちゃぐちゃになっていたキッチンはともかく、変わろうとしているノクトを見て、久方ぶりにオレは心が軽く晴れやかになった。