【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第2章 楽しいお泊まり
「あのねあのね、スズランの香りには集中力を高める効果があるらしくってね、
『これでお父さんのお仕事が少しでも早く終わって、グレイス達と一緒に遊ぶ時間が増えますように』って言ったら、すごく喜んでくれたんだよ!
それにしても、お父さんの大事なお仕事部屋のそんなに目立つところに置いてくれてるなんて嬉しいな…
……あれっ? お父さんに今改めて感謝を伝えてもらったわけじゃないのに、何だか嬉しくて心がぽかぽかしてきた…不思議…。
ねぇ、もしかしてイグニスも魔法が使えるの?」
「僕が魔法を? ふふっ、まさか。
僕はただ事実を伝えただけ。
でも、こういうことは人から間接的に聞いた方が存外嬉しくなるものだよ」
そう言って、繋いだ手とは反対の手で、私の頭をイグニスが優しく撫でてくれる。
その心地良さにお互い笑顔になりながら、のんびりと遊歩道を歩く。
お稽古や訓練がある慌ただしい日常から切り離された時間…静かで穏やかで良いなぁ…
そうと思っていたところに
「グレイスー! イグニスー!
こっち来てみてよ~! すごいのがあるよー!!」
いつもの元気いっぱいのノクトお兄ちゃんの声が風に乗って聞こえてきた。
「あぁ、呼ばれちゃったね。
そろそろノクトの所にも行ってあげようか」
「ねー! 二人とも早くー!!」
「わかった、今行くから待っててくれ!
じゃあグレイス、転ばないように気を付けて、僕の手をしっかり握っててね」
「うん!」
繋いだ手にぎゅっと力を込めて、大声で私達を呼ぶノクトお兄ちゃんとグラディオの所へ二人並んで駆け出した。
その後、公園でピクニックランチをしたり、広場で思い切りシャボン玉をしたり…四人一緒に笑い声一杯の時間を存分に過ごし、楽しいお泊まりの日は暮れていった。