【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第19章 未来の王と、その軍師
グレイスがノクティスの部屋に泊まった数日後。
「…何だ? 何か燃やしたのか?」
オレはしばらくぶりにノクトの部屋を訪ねた。
リビングに入りキッチンを覗くと、そこには慣れないながらも料理をしようと試みた跡があった。
驚きを胸にしながら焦げたフライパンを手に取って眺めているところに、ちょうどノクトが帰宅してきた。
何とも重苦しいような、気まずいような空気の中、二、三言葉を交わし、今オレはノクトと向かい合ってカップラーメンを食べている。
「…この間は言い過ぎた」
「…ん。
こないだのは惜しかった」
「…! 食べたのか」
「作ったらまた食べる」
ぎこちなく細切れの会話をしながら二人麺をすすっていく中、ノクトが再び口を開いた。
「あのさ…こないだグレイスから聞いたんだけど…
お前ら好き同士らしいな」
予想外の話題に思わずむせ返りそうになるのをグッと堪えて冷静に返す。
「まぁ…一般的な好き同士とは大分意味合いが違うが…一応、そうだな」
「グレイスが断ったってゆーのも、その理由も聞いた。
アイツの気持ちも理解できなくはねーけどさ、
お前はそれで良いわけ?」