【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第17章 逢瀬
「グレイス、たっだいまー」
シフォンで上手く隠された少々寂しい自分の胸元を気にしていたところで、ヴァニラの明るい声が聞こえてきたのでそちらを振り返る。
そこには遠目にも上質な艶を纏っているとわかる燕尾服を身につけたノクトお兄ちゃんとイグニスがいた。
「わー二人ともやっぱ似合う〜!」
イグニスはもちろんのこと、ノクトお兄ちゃんもバツグンに整った顔立ちしているんだからかしこまった服装も様になる!
「そうかぁ? オレは堅苦しい服はあんま好きじゃねぇから早く脱ぎてーけど…
グレイスは着替えてまた雰囲気変わったな。
いーじゃん、すげー似合ってて可愛い」
「えへへ、ありがとう。」
ノクトお兄ちゃんって親しい人にはこうやってストレートに褒め言葉言ってくれるんだよね。素直に嬉しくなる。
「グレイス、とても綺麗だ。
本当にお姫様みたいに…」
一方で、イグニスの言葉にドキリと心臓が跳ねる。
妹として可愛がって言っているのではなく、想いを寄せた一人の女性に向けて伝えてくれる言葉だとわかるようになってしまったから、余計に。