【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第17章 逢瀬
イグニスの想いを告げられてからしばらくして。
今日はかねてから準備されていたお父さんの45歳のお誕生日当日だ。
あの日以来、イグニスと会う時に上手く話せるだろうかと心配していたが、ちょうど大きな式典前だということで私もノクトお兄ちゃんも一日の流れの確認だ、ダンスのリハーサルだと学校終わりの貴重な時間をあちこち引っ張りまわされ、イグニスと顔を合わせるのはヴァニラを含め四人一緒だったり、大勢に囲まれていたりだったので、思いの外自然に過ごせて安堵した。
そして今は、夜のパーティー前の束の間の休憩時間、もといお着替え時間だ。
朝からレギス陛下の誕生を祝うための祝砲に始まり、
王都城の周辺で行われる大規模な催しへの臨席、
そして王都城から真っ直ぐ伸びる大通りを通ってのパレード等、様々な祝賀行事がひっきりなしにあり、私もノクトお兄ちゃんも正直言ってクタクタ。
夜のパーティーでは予定していた通り、私達兄妹でダンスを披露する訳で、
その為に準備された衣装に着替える為ノクトお兄ちゃん、イグニス、ヴァニラ、私の四人と数名のメイドを連れて控室に向かっている。
「いいかイグニス? オレは予定されている一曲を踊り切ったらソッコーではける。
絶対に『もう少し参加者とコミュニケーションを…』とか言って邪魔すんなよ。
グレイスも、オレはそのつもりだからな、頼んだぞ」
「わかった。
今日はかなり長丁場だからな。お前も疲れただろう。
今夜は遅くなるから城に泊まると言っていたな、着替え等必要な物は全て部屋に置いているからそれを使ってくれ」
「ノクトお兄ちゃん、それ名案。
私もさすがに今日はそうしようかな~…。
ヴァニラも朝早くからお疲れ様、あと少しだけ頑張ろうね」
「うん! グレイスこそ見せ場のダンス、頑張ってね!」
「任せて! ベテラン先生にみっっっちりしごかれたから!
ねっ? ノクトお兄ちゃん」
「おー。オレ、このルーティーンならマジで目ぇつむったままでも出来る自信あるわ」