【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第14章 牽制、苛立ち
「本当にね。貧血の症状は前触れなく突然来るし、痛いのは毎月のことだから辛いよ。
それにレッスンも途中で抜けちゃったし…。ノクトお兄ちゃん大丈夫かな…あの先生厳しいから」
「はは、確かに厳しいな。だが腕は確かだ。
もしかしたら次にノクトと手を合わせた時は、別人にみたいに上手くなってるかもしれないぞ」
「あはは、何それ~どこの青春スポ魂マンガ?
あーでもノクトお兄ちゃん運動神経良いしなぁ。置いてかれるのはやだなぁ」
普段真面目なことばかり言うイギーが突然冗談めかしたことを言うから珍しいなと思って瞼を開けると、優しく微笑んだイギーと目が合った。
その笑顔に心をぽかぽかさせていると、ふと何かを思いついたのかイギーが自身のアゴに手を当てながら視線を巡らせ始めた。
「ふむ…それなら今度グレイスの体調が良い時にオレが個人的にレッスンしてやろうか?」
「えっ、イギー教えられる程踊れるの? しかも女性側のステップを?」
そこから出て来た提案は意外なもので。
いくらダンスが上手でも異性側のステップはまた別物だし、そんなことをして頭が混乱しないのだろうか。
「一応な。
ダンスを身につける時に、女性側のステップも知っておいた方がお相手を心地よく踊らせることが出来ると言われて覚えたんだ」
へぇー…そうなんだ。
一応、なんて言っているけれど、やることなすこと何でも完璧にスタイリッシュにこなす彼のことだ。
きっと女性側のステップも相当な腕前なのだろう。
「相変わらず…さすがだね。
うん! じゃあぜひお願いします、イギー先生!」