【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第13章 進級
四月に入り、中学入学までの春休みも残り数日となったある日、私の部屋にはヴァニラと、その姉で王の剣の隊員であるファングが来ていた。
ヴァニラは、新しく支給された黒の膝下まで丈のあるワンピース姿が新鮮なようで姿見の前でさっきからはしゃいでいて、
それを私と、王の剣の隊服に身を包んだファングとで眺めていた。
「ヴァニラがこんなお行儀の良い服着て王女のお側につくなんざ、想像もしてなかったわ」
「ふふ、そうなの?
ファングも一緒にこの職務についてくれても良かったんだよ?」
「はっ、私はキレイな恰好して人前に出るより、ニックスやクロウ達と戦場で暴れてる方が性に合うぜ。
それでもよ…ヴァニラだけでも、危険な前線から離れたところに置いてやりたかったんだ。
グレイス。侍女の件、声かけてくれてありがとな」
「そんな…こちらこそ引き受けてくれてありがとう、だよ…」