第2章 子犬な彼(S.I)
「あみさん!」
バイトの後輩の子犬のような彼に呼び止められた。
「飲みに行こうって、いつ行けるんすか?俺待ってるんすよ!」
昼間は本業で神経をすり減らし、恋愛も相手に愛想を尽かされて別れたばかりの私は、後輩とのいつかの約束を反故し続けていた事を思い出した。
「あぁ、そうだったね…今から行く?」
「まじっすか?やった!」
長身なのにほんとに子犬のよう。髭なんか生やしちゃって生意気な。
「焼き鳥でいい?」
「焼き鳥大好きっす!!」
しっぽがあったらちぎれるくらいに振ってるんだろうな。