第10章 新婚旅行(K.A)
客室内は2人には広すぎるほどで、入室してからしばらくは探検して回った。
最後に行き着いたのは最高のロケーションの露天風呂。
「うわぁ…」
目を輝かせる君。そんな君を見て俺も心が弾む。
「はいっ…ちゃう?」
俺の精一杯の申し出に、
「はいっちゃお!」
年上で、落ち着いた大人なのかと思えば子どものようにはしゃぐ顔も見せてくれる。
そんな君を後ろから抱きしめると、爆弾発言が飛び出した。
「和輝くん、今日は…好きに、して?」
全身の血が一気に沸騰したような感覚になり、彼女の向きを変え強引にキスをした。
すぐに応えてくれ、俺の首に腕を絡ませてきた。奥深く舌を捩じ込むと甘い吐息を漏らす。
このまま…てところで「失礼いたします〜」」と仲居さんの声。
慌てて離れ、何事もなかったように景色を楽しむ…フリをした。