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彼らとの夜 King Gnu R18

第10章 新婚旅行(K.A)


俺の初恋は見事に実り、恋焦がれた彼女と入籍まで至った。少し生意気だけど彼女にそっくりでかわいい娘もできた。

「さくら!いつまで髪の毛いじってるの!時間ないよ!」

「だって前髪決まらないんだもん!」

こんな朝のやり取りも俺には微笑ましくてしょうがない。

「あなたも!ニコニコしてないで早く行かないと!」

ついでに怒られてしまった。…あなた。あなたか…。

「パパぁ!途中まで乗せて〜!」

娘は、実の父を「お父さん」と呼んでいるので俺の事は「パパ」と呼ぶ事にしたようだ。…パパ。パパかぁ。

「うふふ…」

「今日も幸せそうだねパパ。今度の旅行なんか行ったら嬉しすぎて狂っちゃうんじゃないの?」

俺の職場の小学校と、娘の中学校へと分岐へ向かう車内でそう言われた。

「そ、んなことないよ…」

「あははっ間があった。あっ、友達だ。ここで降りるね!パパありがとー!いってきまーす」

「いってらっしゃい」の言葉はドアを閉める音にかき消された。

パワフルだ…。一緒に暮らしてみてわかったが女性はみんなそうなのか?彼女もなかなかなもんだ。

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