第9章 play 7 ※
タケルとの電話が切れた後
カヲルは用事ができたと言って身なりを整え
チサトの部屋を出た
タケルのスマホにかけ直したが
すぐに留守番電話に切り替わってしまい
部屋を訪ねても
ドアが開けられる事は無かった
翌朝
時間通りにロビーに姿を現したタケルは
普段と何も変わった様子はなく
撮影も順調に進んだ
休憩時間
ロケバスの中で休んでいるチサトの所に
アリスがやってきた
「…チサトちゃん…昨日はありがとね…」
『……ぁ……いえ…』
「………あれからタケルに電話して…部屋に行ったんだけど………少し話したら…すぐ追い出されちゃった…」
『……ぇ…』
「……………アイツ……何か変わったよね…………クスクス………全く…調子狂っちゃう……」
『……そう……なんですか…?』
「………ウン…………タケルとは……子役時代からよく共演してて………いつの間にか自然にそーゆー関係になったんだ……………周りからは付き合ってるんじゃないかとか噂された事もあったけど……私達は違う……………………アイツは……生きてくために…私の存在が必要だっただけ………私に依存してたの…」