第9章 play 7 ※
カヲルはチサトの身体を抱きしめて
優しく髪を撫でた
甘い香りを吸い込みながら
額にそっと口付けると
腕の中でチサトが顔を上げる
唇が近づき
触れ合う直前
小さな呼び出し音が聞こえた
カヲルはチサトの頬に軽くキスして身体を起こすと
上着のポケットからスマホを取り出した
「……」
タケルの名前を画面に確認したカヲルは
通話ボタンを押した
「………もしもし……」
「……ぁ……明日の集合時間なんだけど……」
「……明日は朝7:30にロビーだ…」
「………分かった……」
「……」
「……………ねぇ……」
「………何だ……」
「……………………アイツと………一緒にいるの…?」
咄嗟の問いに
カヲルは言葉が詰まった
「……」
「…………部屋の電話に出なかったのは……そういう事か…」
タケルは感情のない声でそう言うと
プツリと電話を切った