第5章 play 4 ※
「…………………マネージャーとして……兄として………貴女には……本当に申し訳なく思っています…………でも………タケルの暴走を止める事が……私には出来ないんです……」
カヲルの低い声が
微かに揺らいでいた
『………………そういう気持ちがあるなら…………私の頼みを聞いてください……』
「……」
チサトは何も答えないカヲルの手を取って立ち上がると
ベッドルームへ連れて行った
ベッドの横で立ち止まり
カヲルの方を向くと
服を脱いでいく
裸になったチサトは
カヲルのスーツのジャケットに手をかけた
「……」
カヲルは自分で上着を脱いで
ベッドサイドのソファの背に掛けネクタイも外した
チサトはカヲルの手を取り
自分の胸に触れさせる
『………カヲルさん…』
「……」
『………お願い……』
涙を零したチサトの目尻に
カヲルはそっと口付けを落とした
「…………………こうする事が……少しでも貴女の慰めになるのなら……」
カヲルはそう言うと
胸に押し付けられている手をゆっくりと動かし始めた
チサトはボタンを外してワイシャツを脱がせ
その下の素肌を晒した
スーツを着ている時はとても華奢に見えたけれど
薄い脂肪の下には張りのある筋肉がクッキリと陰影を作っていた