第15章 storm
チサトのマンションの前でタクシーを降りたタケルは
エントランスに備えられたインターホンを鳴らした
〜 ♪
しばらく待ったが
応答が無かったため
もう一度鳴らしてみる
〜 ♪
「……」
応答の無いまま数十秒が経ち
今日は諦めようかとタケルが思いかけた時
インターホンが繋がり
慌てたようなチサトの声がした
『…っ…カヲルさん⁉︎』
「……ぇ…」
『………ぁ……………スミマセン……タケルさんでしたか…』
「……」
『……………どうしたんですか………タケルさんがウチに来るなんて…』
「…………ぁ………突然ゴメン………少し…話せるかな…」
タケルがそう言うと
自動ドアが開いた
『………どうぞ……』