第2章 先生
ある日の昼下がり。任務を終えてから、忘れ物を取りに寮に戻ると五条先生がいた。
「あ、おかえり〜」
『は、えっ、先生!?なんで、っこ、ここに!?』
まさか五条先生がいるとは思わなくて、驚いている。
「いいから、いいから。そこ座って」
五条先生にそう言われて私は正座をする。
『(怒られるな、これ。)』
そう思いながら五条先生の言葉を待った。説教される理由は、分かっている。
「そんなにお仕置されたいの?これで何度目?」
『(やっぱり……)』
思っていた通り。五条先生がここにいる理由は当たっていた。
機嫌悪い五条先生。すごく怒っている。
声が低くて、怖い。怒られるのは、ものすごく嫌い。
私が使った術式【余韻】は、呪力を大量に消費する。呪力もだし、体力も。
だから、五条先生に規制をかけられている。
『あ、の、その……だ、だって、あの状況……術式使うしかなかった、だから……』
怖気付く私は声を震わせながら答える。
今にでも泣きそう。
全身に力が入る。怖くてギュッと拳を握った。
「なんで?あの時もう恵来てたじゃん。が【余韻】使ってまで祓う必要なかったよ」
図星をつかれた。
『そ、それは……そう、だけど…』
ただ単に今日は調子が良かったから、いけると思った。それに、恵くんに頼ってばっかりはダメだしいい所を見せたかった。
そんなこと口が裂けても言えない。
使った結果それは五条先生を怒らせることとなった。