第3章 白昼夢
『呪霊の気配無いなあ…』
1階と2階、3階の各教室をまわってみたが、呪霊の気配は全くない。
なんだか、肝試しをしているようだった。
ほかの校舎に行ってみよう、とは1階の廊下を歩きながら考える。
『あれ…?』
長い廊下を歩いている途中、ある事に気が付いた。
『さっきもここ来たような…』
長い廊下だな、とは思っていたけどまさか、ずっと1階の廊下を永遠に歩いているのには気づかなかった。
後ろを振り返って見てみると、吸い込まれそうなほど真っ暗。
それに、あるはずの玄関も見当たらない。
『嘘でしょ……』
怖い。
率直にそう思った。
は校舎に入った時に言った言葉を思い出した。
【 絶対1人とか危ないじゃん。迷子とか神隠しになったらどうするの……】
まさかのフラグ回収。
冷や汗が出る。
はごくり。と唾を飲み込んだ。
は「3ーA」と書かれているクラスの表示プレートをじっと見てみる。
他のクラスの「3ーB」「3ーC」「3ーD」と書かれている表示プレートも見る。
また「3ーA」と書かれてある表示プレートを見れば……。
疑惑が確信に変わる。