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【呪術廻戦】無下限恋愛

第8章 秘匿死刑


「……それで、伏黒くん。怪我、大丈夫?」


 改めて問いかける。

 すると伏黒くんはまだ少し頬を赤くしたまま、「ああ」と小さな声で返事をくれた。

 そんな私と伏黒くんの穏やかな空気に割り込むように、五条先生が盛大なため息を吐いた。


「しかしまあ、ヤられたねー」


 言いながら、五条先生は撮影会をやめない。

 そんなに撮って、写真集でも作る気かな。……作りそうで怖いけど。


「恵もまだまだ修行が足りてないってことじゃん? その傷、宿儺の攻撃によるものじゃないでしょ? 雑魚にヤられるとは……先生悲しいな」


 五条先生はわざとらしく泣き真似をする。

 伏黒くんのほうから何かがブチッと切れる音がしたけど、きっと気のせいだ。


「……それより、虎杖は?」

「執行猶予はつけたよ。あとは彼次第」


 あくまで死刑は免れなかった。

 その事実が伏黒くんの顔色を暗くさせた。


「そうですか。……それで、宿儺はあの後出てきてませんか?」


 伏黒くんが質問すると、五条先生は私のことをチラと見た。


「虎杖悠仁の身体を一部利用して出てきた。……ね、皆実」


 たぶん、私に話を振ったのはわざとだ。

 でもその意図を知らない伏黒くんは言葉のままに受け取って話を続けた。


「大丈夫なんですか?」

「うん、問題ない。あくまであの肉体の主導権は虎杖悠仁にある。すごいね、彼。化け物じみた精神力だ」

「身体能力もすごいですよ。たぶん禪院先輩と張ります」


 真希先輩と張るって……。

 地面に叩きつけられる痛みが頭をよぎった。


「へえ、それは……ますます欲しい人材だ」


 五条先生は口角を上げて、伸びをする。


「よし、っと……そろそろ、結論出た頃かな」
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