第7章 両面宿儺
「皆実、撮れた?」
五条先生の指示通りに五条先生と伊達政宗公の騎馬像のツーショット写真を撮る。
私はいったい何をしている……?
「お、いいねいいね。次皆実がそこに立って」
「五条先生、もう伏黒くんのところに……」
「あ、やっぱりツーショットがいいよね。せっかく2人で来たんだし。そこのおねーさーん。僕たち撮ってくれません?」
私の発言をことごとく無視して、五条先生は全力で観光を楽しんでいる。
「うわっ、お兄さん背高っ! てか、その子めっちゃかわいい! 彼女さん!?」
「違い」
「そう! 僕のスイートガールフレンド、皆実ちゃんでーす。お似合いでしょ?」
「おい」
なんで見ず知らずの人にこんなハイテンションで話しかけれるんだろう、この人。普通に怖いんだけど。
なんかもうすでに親しげだし。コミュ力術式でもあんのかな。
「皆実ちゃんかー! かわいすぎてやばい、普通に写真欲しい!」
「でっしょー! ちなみに僕の前だとさらにかわいいから」
いつまでこの悪ノリを続ける気なんだろう、この人。
ちゃっかり腰まで抱かれてた。
「それより写真撮るのはかまわないけど、お兄さんその目隠し外さなくていいんですかー?」
「外さなくてもナイスガイだからね、僕」
(うわー、自分で言っちゃったよ)
「皆実」
「……すみません」
もう考えてることはダダ漏れなんだと思うことにした。