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【呪術廻戦】無下限恋愛

第1章 プロローグ


※皆実視点


 目を覚ましたら知らない風景が広がる。

 周りにお札がいっぱい貼られていて、なんだか不気味だった。

 手を動かそうとしたら、何かに腕ごと縛られていた。


「い、ててっ」


 同時に、こめかみに痛みが走る。

 血は止まってるみたいで、顔を伝っていた熱い感覚はもうない。

 でも傷があるってことはー……。


「さっきのはやっぱり夢じゃないんだ」


 夢だったらよかったのに。

 いや、そうでもないか。

 遅かれ早かれ、きっとこうなってた。

 本当は11年前にこうなるべきだったんだよね。


「殺されるんだよね、私」

 
 口にしたら他人事みたいで、笑えちゃう。

 でも、そんな私の暢気な言葉を私じゃない他の声が、笑ってくれた。


「緊張感ゼロすぎじゃない? 本当に死ぬって分かってる?」


 黒い布で目の隠れた男の人がそんなことを言った。

 あー……この人、えっと五条先生……だっけ。

 ていうかこの人、なんで目隠ししてんだろう。

 前見えなくない?

 整った顔してるのになんで隠すんだろ。


「この部屋に閉じ込められて、そんなに落ち着いてる子は初めてだよ。憂太なんか酷い病み様だったからね」

「まあ、何も知らずにこんなところ閉じ込められたら病むでしょうね」

「これから死ぬって分かってたら普通はさらに病むと思うけど」


 五条先生は何が楽しいのか、クックックッと喉を鳴らす。

 この人の笑い方はなんかこう、イラッとするんだよなあ。


「さて、本題に入ろうか。綾瀬皆実」


 笑っていたかと思えば、ふと空気が変わる。

 周囲の空気が一気に冷たくなった気がした。
 

「君の秘匿死刑が決定した」
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