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【呪術廻戦】無下限恋愛

第1章 プロローグ


「……え?」

「へぇ、この唾液は腐食作用があるのか。ていうか君、なんで顔舐められて平気なの? うける」


 その人はケラケラと笑ってる。

 私からしたら、なんで怪物の舌が寸前で止まってるのか、そっちのほうが不思議でならない。


「アハハ、言ったでしょ。『最強』だって」


 そう言い放った次の瞬間には、その人が怪物の頭をもぎ取って潰していた。

 誰も、傷一つつけることのできなかった怪物をいとも簡単に祓った。


 すべて、一瞬。


 瞬きをしたら、私は地面に横たわっていた。


 この人は強い。たぶん、あの人より。


「……あなたは、誰」

「僕は五条悟。呪術高専の教師。君は?」

「綾瀬、皆実……」


 私が答えると、五条、先生……でいいのかな。

 五条先生が私の上に跨って、その黒布を下ろす。

 息を呑むほどに整った顔が私の顔を覗き込んだ。


「惚れ惚れする顔だね。君、かなりモテるでしょ」


 惚れ惚れする顔にそんなことを言われても困るのだけど。

 この状況でいったい何を言い出すんだろう、この人は。


「アハハ。何言ってんだって言いたげだね。まあいいや。それより……」


 五条先生はヒラヒラと右手を振る。


「ねえ、僕に触ってみてよ」


 意味がわからないけど、その行動には意図がある気がして。

 私は言われるがまま五条先生の右手に手を伸ばす。

 そして、その手に触れた。


「本当に触れてるね」


 五条先生は楽しそうに笑ってる。

 触れろと言ったのはそっちなのに。

 何がそんなにおかしいんだろう。


「普通、僕には触れないんだよ。僕との間の無限に阻まれて。でも君は僕の無限を吸収して、今僕に触れてる。あのキモいのに舐められても顔が腐らなかったのもこれが理由」


 どうして、そんなことが分かるんだろう。

 でも五条先生は、私の疑問には答えてくれない。

 答える必要もない。


「でも不思議だよね。ここ10年一度も呪霊出現の報告がないこの街に突然呪霊が現れて、しかもその呪霊が君の血を吸って特級に変わった」


 事実だけを述べるとその通り。

 そしてその事実が一般的に導き出す答えは一つ。
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