第3章 はじめての平穏
初日ってさ。
だいたい授業とかも概ね自己紹介とかで終わると思うんだけど。
私の通ってた中学校も高校もゆるかったのかな。
「きゃあぁぁああああっ!」
いや、入学早々、空に飛ばされるなんて思わないじゃん? 普通。
私が普通じゃないのか?
絶叫しながら地面に身体が叩きつけられる。
やばい、絶対骨折れた。
めっちゃ痛いし、ジンジンする。
「おい悟! 弱いどころの話じゃねぇぞ、コイツ」
禪院先輩が身長くらいある棍棒を振り回しながら五条先生に文句を言ってる。
「弱いどころの話じゃないから鍛えてあげてって言ってんの。あ、でも皆実相手に呪具は使わないでね。呪力吸われて呪具がただのなまくらになるから」
「だからこんな使えねぇ棒持ってきたのかよ」
使えない棒に空高く投げ飛ばされた私はなんなんだ。
え、本当に私と同じ棒持ってる?