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【呪術廻戦】無下限恋愛

第24章 邁進


 上を見上げたら、呪霊の影。

 五条先生が私を抱えて、走り飛んだ。

 呪力を介してないのに、五条先生は人並み以上に跳躍して、呪霊の襲来を避けた。

 重力に呪力をかけ合わせて、着地点の道路が粉砕されている。
 その中心には、火山頭。


(この気配は――特級)


 恐怖で動かなくなる感覚。

 ビリビリと電撃のように走る呪いの気配。


「君、何者?」


 五条先生が私を地上に下ろして、呪霊に問いかける。

 けれど呪霊はその問いに答えることなく、攻撃を畳みかけた。


《ヒャアッ!!》


 その掛け声とともに、五条先生の背後に火山の噴火口が現れる。

 そのことに五条先生が気づくと同時、噴火口からマグマが吹き荒れて、五条先生を襲った。


「五条先生!」

《存外大したことなかったな》


 五条先生がいた場所で、高熱の煙が上がってる。


(五条先生の呪力は消えてない。……大丈夫)


 私の身体を流れる五条先生の呪力が、五条先生の無事を伝える。

 でも五条先生を仕留めた手応えがあったのか、火山頭はそのまま私へ視線を向けた。


《貴様が『綾瀬皆実』か。……成程、コレが》


 クククッと笑って火山頭が、いまだ動けずにいる私の方へと歩み寄る。


《貴様は儂と来るのだ》


 火山頭の手が私に触れようとした瞬間、マグマの煙が晴れた。


「行かないよ。……ったく、誰が大したことないって?」


 マグマが五条先生の周囲で球体を描くように固まっている。

 一切無傷の五条先生を見たら、心がホッとした。


《小童め》

「特級はさ、特別だから特級なわけ。こうもホイホイ出てこられると調子狂っちゃうよ」


 やはり、この呪霊は特級相当。

 でも五条先生の面持ちは、全く変わらない。


《矜恃が傷ついたか?》

「いや、楽しくなってきた」
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