第24章 邁進
俺がそう答えるのと同時、向こうから叫び声が飛んでくる。
「伏黒ォ!! 面接対策みたいな質疑応答してんじゃないわよ! 交代! もう学ランはしんどい! 可愛いジャージを買いに行かせろ!」
パンダ先輩に投げられながら、釘崎が文句を言い散らかしている。
意味ないしごきだったら即やめるとか啖呵切っといて、早速されるがままになってる。
「あの2人は何してるんですか?」
「オマエらは近接弱っちいからなぁ」
どうやらアレは近接戦闘の特訓らしい。
「にぎゃあああああ!」
『きゃぁああっ! 真希先輩、ストップ! 骨、骨が……っ!』
パンダ先輩に投げられてる釘崎の姿は、禪院先輩に吹っ飛ばされてた綾瀬の姿と重なって見えた。
「恵」
またしても過去の記憶に囚われかけていた俺を、禪院先輩の静かな声が呼び戻す。
「まずは、私から1本取れ。話はそれからだ」
そう口にして、禪院先輩は持っていたボロ棒を背中に回した。