第24章 邁進
きっと、その言葉は間違いじゃない。
今でさえ俺にとって【岡﨑正】の死は他人事でしかない。
まして犯罪者の死など、どうあっても俺の心を揺らさない。
(けど、誰が悲しむかなんて関係ないだろ)
たった一人でも悲しむ人がいるなら、やっぱりソイツは死んでいい人間じゃなかったんだって、今なら思う。
(だから……オマエらも、死んでいいわけなかったんだよ)
綾瀬も虎杖も、世間から見たら『善人』と言える人間じゃない。
綾瀬は人を呪い殺せる呪いの器で、虎杖は人類を鏖殺できる呪いの王の器で。
きっと、アイツらの死を喜ぶ人間の方が圧倒的に多い。
虎杖は宿儺の器になる前の人生があるから、多少は友好関係も築いて悲しんでくれる人間がいるかもしれないけれど。
それでもアイツらの死は、きっと世間では『当然』の位置付けになるだろう。
(だとしても……)
少なからず俺は……俺と釘崎は、オマエらの死を『悲しい』と思うよ。