第24章 邁進
釘崎と声が重なる。
残された俺達の考えは、おそらく同じ。
釘崎の瞳を見れば、それは確信に変わった。
見据える先には、綾瀬と虎杖の背中がある。
(俺は強くなるんだ)
あの世で2人に堂々と胸張って会えるように。
(そのためならなんだって)
やってやる。
できること全部、やってやるよ。
「でもしごきも交流会も意味ないと思ったら即やめるから」
「同じく」
俺と釘崎の意気投合した考えを、二年の先輩達が鼻で笑う。
「ハッ」
「皆実は素直だったなぁって改めて実感するぜ。でもまあこん位生意気な方がやり甲斐あるわな」
「おかか」
二年の先輩達は話を終えたと告げるように、俺達に背を向ける。
そして、禪院先輩が号令をかけるように手招きをした。
「っし、じゃあ特訓始めるぞ」
早速、しごきを始めるらしい。
でも俺はまだ少しだけ俺の時間が欲しくて、禪院先輩に一言謝った。
「すみません」
この非情な事件には、まだやり残してることが一つだけあるから。
「……ちょっとだけ、寄り道してきてもいいですか?」
そう告げて、俺は踵を返した。