第24章 邁進
「京都姉妹校交流会い?」
釘崎は高専の行事についてあまり把握していない。
だから俺はパンダ先輩に付け加えるように、その内容を説明する。
「京都にあるもう1校の高専との交流会だ。でも二、三年メインのイベントですよね?」
本来は一年の俺らにほとんど関係ないイベント。だから、はっきり言ってまだ知らなくてもいい行事だ。
「その三年のボンクラが停学中なんだ。人数が足んねぇ。だからオマエら出ろ」
「交流会って何するの? スマブラ?」
「なら3人でやるわ」
アホなことを言ってる釘崎に、パンダ先輩が冷静にツッコミを入れた。
至極もっともな意見だと思う。
「東京校、京都校。それぞれの学長が提案した勝負方法を1日ずつ2日間かけて行う。つってもそれは建前で、初日が団体戦、2日目が個人戦って毎年決まってる」
「しゃけ」
「個人戦、団体戦って……戦うの!? 呪術師同士で!?」
「あぁ。殺す以外なら何してもいい呪術合戦だ」
そう告げる禪院先輩はかなり楽しげだ。
こんな楽しそうな先輩は絶対に相手にしたくない。
敵になるだろう京都校のヤツらのことがすでに気の毒に思えた。
「逆に殺されない様ミッチリしごいてやるぞ」
パンダ先輩がそう告げると、釘崎はまた次の疑問を見つけた。
「……ん? っていうか、そんな暇あんの? 人手不足なんでしょ? 呪術師は」
「今はな。冬の終わりから春までの人間の陰気が初夏にドカッと呪いとなって現れる。繁忙期って奴だ」
「年中忙しいって時もあるが、ボチボチ落ち着いてくると思うぜ」
「へぇ〜」
「で、やるだろ。仲間が死んだんだもんな」
発破をかけるには充分な煽り文句。
禪院先輩への返答なんて、迷う余地もなかった。
「「やる」」