第24章 邁進
「何あの人(?)達」
死者に囚われる俺に、釘崎がなんとも言えない顔で声をかけてきた。掲げた人差し指は先輩たちを指している。
「二年の先輩」
そう言えば、釘崎は二年の先輩に会うの、初めてだったか。
虎杖もなんだかんだで会えず終いになったのか……。
そんなことをしみじみ思いながら、俺は目の前にいる三人の先輩を紹介した。
「禪院先輩。呪具の扱いなら学生一だ」
甘やかすだけが優しさじゃないとか、スパルタなことを言っている先輩のことから教えて、次に「すじこ」って解釈の難しい具材を答えてる狗巻先輩を指す。
「呪言師、狗巻先輩。語彙がおにぎりの具しかない」
そして最後、パンダ先輩を指して……
(ああ、前に綾瀬にもこんなふうに紹介したっけ)
そんなことをやっぱりどうしても考えてしまって。
「パンダ先輩」
そうとしか言いようがないから、そのまま説明した。
「あと一人、乙骨先輩って唯一手放しで尊敬できる人がいるが、今海外」
「アンタ、パンダをパンダで済ませるつもりか」
釘崎が依然珍妙な顔で尋ねてくるけれど、俺はそれを無視した。
そんな俺たちに、パンダ先輩が手を合わせて告げてくる。
「いやー、スマンな、喪中に。でもこっちもこう見えて喪中だから、許して」
こんな騒がしい喪中があってたまるかよ、って思うけど。
俺はあえて突っ込むことはやめて、先輩達の話に耳を傾けた。
「だがオマエ達に『京都姉妹校交流会』に出てほしくてな」