第24章 邁進
「あー報告修正しないとね」
解剖の手間は省けたけど、新たな手間が増えた。
死んだ人が生き返ったなんて報告書、修正でどうにかなるものでもないし。
ほとんど書き直しだろうなぁって、うんざりしてたら。
「いや、このままでいい」
五条が静かにそう答えた。
「また狙われる前に皆実と悠仁に最低限の力をつける時間が欲しい。記録上、皆実と悠仁は死んだままにしてくれ」
まあ修正する手間が省けるのは嬉しいし、私は別にどっちでもいいけど。
でも死んだままってことは、高専にも通わせないってことだよね。
つまり……うん、よく分かんない。
「んー? じゃあ綾瀬と虎杖、がっつり匿う感じ?」
私が尋ねると、五条はあくまで静かに否定する。
「いや交流会までには復学させる」
「何故?」
「簡単な理由さ。若人から青春を取り上げるなんて許されていないんだよ、何人たりともね」
昔の尖りまくってた五条が聞いたら「オ゛ッエー」なんて言いそうな正論。
私は別にその正論が嫌いじゃないけど。
でもさ『青春』なんて言葉使うなら、もっと楽しそうに言いなよ。
「ね、なんでさっきから不服そうなの?」