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【呪術廻戦】無下限恋愛

第20章 呪胎戴天


 手を合わし、『鵺』の影絵を創り出す。

 宿儺の視界を分散させれば、どこかに勝機はある。

 俺が創り出した式神を、宿儺は楽しげに見つめてる。


(まだ、『遊び気分』かよ!!)


 唇を噛んだ俺の前で、宿儺がポケットから両手を解放する。


《折角外に出たんだ、広く使おう》


 式神だけで、コイツに勝てるとは思わない。

 式神使いは基本的に距離を詰めた戦闘はしない。

 でも俺は……っ!


「……っ!」


 体術で挑む。

 微かに宿儺の顔が驚きの色を見せた。

 けれど、宿儺はすぐに俺の動きに対応して、俺を薙ぎ払う。


《もっと呪いを篭めろ》


 殴られた顔が痛ぇけど。

 そんなのどうだっていい。

 攻撃を止めるな。


「『大蛇』」


 足元から現れた大蛇が、宿儺を胸から食らって空中に連れて行く。

 その瞬間を狙って、鵺が宿儺に奇襲を仕掛ける。


「畳み掛けろ!!」

(いける!)


 そう確信した、瞬間。

 宿儺が大蛇を破壊した。


(嘘……だろ)


 もう俺の式神は、ほぼすべて使い切ってる。

 これ以上の策は、俺に残ってない。


《言ったろう》


 俺の背後で、その声は明瞭に響いた。

 死が目前に迫ってる。


《広く使おう》


 震える身体が、死を実感した、その時。


「伏黒くんを……離して」


 綾瀬が、刀を手にして、膝をついていた。
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