第20章 呪胎戴天
「……っ! や……だっ!!」
私の身体の中の呪いがブワッと溢れ出す。
身体中が無意識に暴れ出す感覚が気持ち悪くて、抵抗しようと口を開いたら。
宿儺がクスリと笑って、その舌を私の口の中に滑り込ませた。
《ほら、もっと……俺に流せ》
宿儺の舌が、私の舌に絡まって。
私の歯列をなぞり、口の中に漏れ出る呪力を舐めとっていく。
「や……っ、んんっ、い、や!」
《いい声だ……嫌がる声もそそる》
私の抵抗を宿儺は悦んで。
宿儺の胸を押す私の両手を、修復した右手で縛った。
(――っ!)
宿儺の呪力に侵されて、また腕が感覚を失う。
私の腕の力が抜けると、宿儺が私の腕を離して。
そのまま宿儺の右手が、私の学ランの下に滑り込む。
「や……っ」
《口吸いだけでは……到底足りぬが》
宿儺の手が私の胸の膨らみに直に触れる。
《俺に感じているその顔は……見ている価値がある》
「や、めて……っ、や……んっ」
《もっと嫌がれ。……そして、俺を愉しませろ》
ケヒッケヒッと、宿儺が私を嘲笑って、私の身体を弄る。
触られたところは刃物が突き立てられたみたいに痛みが走って、すぐに麻痺していく。
ビリビリと身体が痺れるのと同時、触れ合った口の中の体液が、私の呪力を宿儺に流していく。
痛みと痺れと快楽と。
全ての感覚が混ざり混ざって。
気持ち悪い感覚なのに。
嫌なのに。
目の前にいるのは、五条先生じゃないのに。
「ん、やぁっ……あ、んんっ」
下品な声が漏れていくのを止められない。
《腰が……揺れているぞ》
「……っ、ちが」
宿儺の手が胸から離れて、私のお尻に伸びていく。
(五条、先生……っ)
助けてほしくて、その顔が頭に浮かんだ。
先生の手じゃない……その手が、私の身体を蝕んでいく。
それがどうしようもなく嫌なのに。
「や、め……」
抵抗できない自分が嫌で、涙が溢れた。
《泣くほど気持ちいいか?》
宿儺の笑い声が私の耳を侵す。
でも、その笑い声が瞬時に止んだ。
目の前の宿儺の顔が、愉悦から苛立ちに染まっていく。
《……馬鹿が》