第20章 呪胎戴天
私の伝言を聞いた野薔薇ちゃんは瞬間的に眉を寄せる。
「うわっ、いい歳してめちゃくちゃケチ」
「あはは……結構大変な任務みたいで、お土産見てる暇はないんだと思うよ」
まあ、それでも自分の気になったご当地スイーツは自分用にしっかり買ってきそうだけど。
私と野薔薇ちゃんが話してる隣で虎杖くんと伏黒くんと会話を進める。
「五条先生ってやっぱり強ぇんだな」
「〝強い〟どころの話じゃねぇ。だから……そもそも高専でプラプラしてていい人材じゃないんだよ」
伏黒くんの言う通り。
人間としてはアレだけど、五条先生は呪術師としては本当に最強。
最近は毎日何かしらの任務に出て行ってる。
でもすぐに終わらせて帰ってきてしまう。
先生が関わるくらいだから、かなり難しい任務のはずなのに。
『瞬祓してきた〜、褒めて〜』
昨晩も任務から1時間経たずに帰ってきて、こんな呑気な発言をしてた。
あの人は本来教師じゃなくて、現場にいるべき人間なんだと私も思う。
「この業界は人手不足が常。手に余る任務を請け負うことは多々あります」
そんな私たちの会話を遮って、伊地知さんが告げる。
その顔はやっぱり曇ってた。