• テキストサイズ

【呪術廻戦】無下限恋愛

第20章 呪胎戴天


(目敏いなぁ……)


 伏黒くんは私のことを気遣って、伊地知さんにそう進言した。

 呪力の気配からして、最悪小学校の事件の時みたいになりかねない。五条先生がいないこの状況で私が下手に動くのは危険。

 でも伊地知さんは首を横に振った。

 
「上からの司令ですので、例外は認められません。綾瀬さんも任務に参加です」


 伊地知さんは静かに告げる。

 その顔は少しだけ不安げだった。

 伊地知さんもあの小学校での事件のことを知っている。

 あの後、呪いが廻った私を五条先生とともに家まで連れ帰ってくれたのは、他でもない伊地知さんだったから。

 だからおそらく、伊地知さん自身も、呪いの祓えない私が任務に参加することに消極的なんだと思う。

 そんな伊地知さんが私を任務に送りこむということは……。

 それだけ強い命令……〝上層部〟といわれるお偉方からの命令なんだ。


(余計に、怖いんだけど)


 これが〝ただの呪霊退治〟じゃない気がしてくる。


(それに……)


 少年院の奥から、一際濃い呪いの気配がする。

 でもこの気配は、今私の隣にいる虎杖くんの気配と同じで。


(……指、あるのかな)


 虎杖くんの呪力の気配……それはつまり宿儺の気配ということ。

 でもそんな特級呪物があるのなら、その情報が予め開示されているはず。

 まだ気づかれていないだけなのか、あるいは私の勘違いか。

 考える私の目の前で、伊地知さんが改めて状況説明を開始した。
/ 612ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp