• テキストサイズ

【呪術廻戦】無下限恋愛

第17章 大波乱⭐︎一年生親睦会


 始まりを辿れば、全部五条先生にたどり着く。

 きっと感謝してもしきれない。

 五条先生と出会わなかったら、私はこんな世界を知らないままだった。


「こんな世界も、悪くないでしょ」


 悪くないどころか、ケチつけようがないくらい最高だから。

 自信満々の顔に文句言いたいのに、何も言えないじゃん。

 世界がこんなにもキラキラしてるの。

 あの人が作る世界でしか、きっと私は幸せになれないって、信じてたのに。





『待ってて』





 あの人が作る世界を、ずっと待ってたのに。

 私は何も知らないだけだった。


「こんな世界があるって、あの人にも教えてあげたかったです」


 案外、世界は捨てたもんじゃないって。

 カラフルに色づく世界もちゃんとあるって。


「この景色を、見せてあげたかった」


 遠くでまだキラキラと光ってる、パレードの明かり。

 そこに呪いなんて全然存在しないの。


 手に持った、ストロベリーミルクの氷が溶けてコロンと音が鳴る。


「アイツはちゃんと知ってたよ。この世界にも綺麗な景色があること」


 五条先生は呟くように答えた。

 視線はまっすぐ前を見て、遠くの輝きを見つめてる。


「知ってたから……皆実みたいな子たちにこの世界をあげようとしたんだ。それ以外を全部排除して。……アイツも大概バカだよ」


 そうやって苦笑する五条先生は、儚げで。

 揶揄する言葉が、ただただ優しくて。


 ああ、やっぱり。


「五条先生は……仲が良かったんですね」


 きっとこの人が、そうだったんだ。


「傑さんと」
/ 612ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp