第17章 大波乱⭐︎一年生親睦会
いつも冗談ばかりで。
そうかと思うと、本気で怒ってきたり。
五条先生の考えてることは、私には分からないことばっかり。
その言葉がどんな意味を持ってるのかも、やっぱり私には分からない。
だからその答えを知りたいって、五条先生に対してはそう思っちゃうの。
「五条先生」
私も、五条先生の知らない私が増えていくのは、寂しいよ。
だから、五条先生の知らない私を、ちゃんと知ってほしいの。
「私、今日がとても楽しかったです」
会えなかった時間を埋めるように、私は五条先生に今日のことを話してた。
「みんなといっぱい写真を撮って、足が痛くなるくらい歩き回って」
すごく疲れたけど、でももっとみんなといろんな場所を見て回りたいって思って。
「失態をバカにされたり、怒られたり……でもそれが全然不快じゃなくて」
脈絡のない会話も、はしゃぎ声も、全部楽しくて。
その笑い声の中心に、私がちゃんといて。
「今日が終わるのが寂しいって、こんな幸せな感情を同期のみんながくれました」
虎杖くんが私にたくさん笑いかけてくれた。
野薔薇ちゃんが頼りない私の背中を押してくれた。
それから……伏黒くんがずっと私のそばにいてくれた。
嫌なことなんて、何一つなかった。
ただただ楽しくて。
呪いの声も全部忘れられる、そんな世界がそこにあった。
「でも……この世界をくれたのは、五条先生なんですよ」