第17章 大波乱⭐︎一年生親睦会
「そうそう、伏黒の言う通り。変なヤツらは放ってさ、俺たちとバカ騒ぎしてぜーんぶ忘れようぜ」
虎杖くんがニカッと笑いかけてくれる。
「そうね。てゆーか、アンタ、今は環境に恵まれてんじゃない? 私みたいな寛大な心の持ち主が同期で、しかも同期の男子もこんな芋たちだし。どう考えても変なことにはならないでしょ」
「芋は余計だろ! オマエだって田舎育ちのくせに!」
「アンタたちとは気品が違うのよ」
「……その口の悪さを直してから言えよ」
「はぁ? シティーボーイぶってんじゃないわよ、伏黒!」
虎杖くんと野薔薇ちゃんの言い合いに、伏黒くんが巻き込まれた。
私が壊しちゃった空気は、すぐに元に戻ってて。
「皆実、アンタはアンタで何高みの見物してんのよ! アンタも田舎育ちでしょ!」
そんなトバッチリも全然嫌じゃなくて。
「お待たせしまたー。ネズミーハンドプレートの方ー」
「あ! それ俺ー!」
「うわーっ、虎杖の美味しそう! 私もそれ迷ったんだよねー!」
はしゃぐ声も、他人の笑い声も、全部大嫌いだったのに。
不思議なくらい居心地が良い。
みんなとご飯を食べるのってこんなに楽しいんだって。
伏黒くんと半分こにしたフレンチトーストが、こんなにも美味しいなんて、知らなかった。