第17章 大波乱⭐︎一年生親睦会
「どうしよ、すごい眩しいもの見たんだけど」
「初めて釘崎と同じこと思ったわ」
2人が静かに意気投合してる。
また私、変なこと言ったかなって不安になってたら。
伏黒くんが私の肩を優しく叩いた。
「俺、これにするから綾瀬が半分食べて」
「え?」
伏黒くんがそう言って、キャラクター型のかわいらしいフレンチトーストを指した。
2枚あるからたしかに半分ずつ食べやすいけど。
「俺もそんなに腹減ってないから」
お腹はすいてないだろうけど、伏黒くんはこれくらい1人で食べ切れると思う。
鈍い私でも、伏黒くんが私に気を遣ってのは分かって。
遠慮しようとしたけど、野薔薇ちゃんにストップをかけられた。
「皆実。ここは伏黒にカッコつけさせときな」
「伏黒ってば彼氏ヅラどころか、マジで彼氏みたいなことすんじゃん?」
「……オマエらはイチイチうるさいんだよ」
伏黒くんは小さくため息を吐くと店員さんを呼んだ。