第17章 大波乱⭐︎一年生親睦会
「私に対して彼氏のフリはしなくていい。あくまでダブルデート風に見せればいいから、マジで触んなよ?」
私と伏黒くんをデート設定にするなら、野薔薇ちゃんと虎杖くんもそうしないとおかしいってことで偽ダブルデート設定が決定したんだけど。
野薔薇ちゃんが虎杖くんに真顔で言ってる。
「触んねぇよ。殴られそうだし」
「ハァー、なんで私はこんな芋と歩かなきゃなんないのかしら。ったく、こんな美人の彼氏役なんて今後一切する機会ないんだから、せいぜい噛みしめなさいよ」
「オマエのその自信はどっから来んの?」
前を歩く2人はいまだに喧嘩してる。
でもあまりに仲良いからその状態でも普通にカップルみたいに見える。
(私と伏黒くんも手繋がなくていいと思うんだよね)
隣歩いてくれるだけで充分だ。
そう思って伏黒くんを見上げて。
私は目を見開いた。
「伏黒くん、前!!」
「え? ――ウ゛ッ」
伏黒くんが目の前の鉄柱に顔面から激突した。
「「伏黒ーーー!」」
【一年生親睦会 開始から1時間15分後――伏黒恵 顔面負傷】