第17章 大波乱⭐︎一年生親睦会
「伏黒くん? 大丈夫? 別に手繋がなくていいよ。私、はぐれないように気をつけるから」
そう言って、私は伏黒くんの手を離そうとしたんだけど。
なぜか伏黒くんの手に力がかかってて、全然手が離れない。
いや、離そう??
「つーかさ、俺とか伏黒じゃなくて、釘崎と手繋いどけばいいじゃん。俺らより皆実も繋ぎやすいだろうし」
虎杖くんが名案を口にする。
私も繋ぐなら野薔薇ちゃんが良くて、野薔薇ちゃんに視線を向けた。
視線を受けた野薔薇ちゃんはため息混じりに「バカね」と呟く。
「私と皆実が2人でいたら、どっちも美人だから余計にナンパされるでしょ」
堂々と言った野薔薇ちゃんに、虎杖くんが真顔で返す。
「いや、オマエをナンパするとか怖すぎてマジでねぇ――グフォッ!」
虎杖くんの腹に野薔薇ちゃんの右ストレートが綺麗に決まった。
虎杖くんが腹を押さえて、しゃがみ込んでる。
「何がねぇんだよ? アァ?」
「そういうとこだよ! なんでわかんねぇの!?」
「私が高嶺の花ってことしか分かんないわよ」
「平然と言うオマエにビックリするわ」
【一年生親睦会 開始から1時間後――偽ダブルデート決行】