第17章 大波乱⭐︎一年生親睦会
目の前で壁みたいになってた男の人たちを、ちょうど真ん中から押しのけて、虎杖くんがニョキっと顔を出した。
その口には、いつの間に買ったのか、ホットドッグが咥えられてる。
「い、虎杖くん。……えっと、全然、知らない人」
「へぇー……」
虎杖くんが男の人たちに視線を向ける。
鋭い視線が刺さったのか、男の人たちは脱兎の如く逃げ出した。
「ありがとう。助かった」
「え? 何もしてねぇじゃん、俺。それより、皆実。……あーん」
虎杖くんはホットドッグを口に頬張りながら器用に喋る。
私は虎杖くんに言われるまま口を大きく開けた。
「……む、っ」
口の中にバンズのいい香りが広がる。
ケチャップとマスタードが舌の上で程よく絡まり合って。
虎杖くんが私の口にホットドッグを押し込んでた。
「ほひひひ!(※美味しい!)」
「アハハッ、何言ってるか分かんねぇ」
虎杖くんは口が大きいから、喋れるくらいの隙間があくのかな。
私は口にホットドッグ入れたら完全に口が塞がって喋れない。
ホットドッグを口に咥えたまま、うーんと首を傾げた私を見て、虎杖くんがまた笑った。
「皆実ってマジでかわいいよなぁ。格好もあいまって今日は特にヤベェし。……うん、ナンパしたくなる気持ちは分からんでもない」
しみじみと言って、虎杖くんがホットドッグを咀嚼する。
虎杖くんのホットドッグはもうあと一口でなくなりそう。ついさっきまで結構長さあったよね。食べるの早くない?
「伏黒! 皆実あっちにいる! 虎杖と!」
私と虎杖くんがホットドッグを一緒に食べてると、野薔薇ちゃんと伏黒くんがこっちに走ってきた。