第17章 大波乱⭐︎一年生親睦会
【一年生親睦会 当日】
カシャ、カシャ、シャリリリリ。
カメラのシャッター音がやたらうるさい。
髪を結んでる私の隣で、五条先生がスマホで撮影大会を開催してた。
「クゥーっ! 最ッ高! マジ僕センスある!」
私を褒めてるのか、自分を褒めてるのか、もはや分からないけど。
五条先生にプレゼントされた服を着た私を、五条先生がずっと写真に収めてる。
「皆実、分かってるねぇ。そういう服にはポニテが合うよ」
「……知りませんけど」
別にそういう意味でポニーテールに結い上げたわけじゃない。
五条先生いわく、今日の一年生親睦会は噂の『TDL』とやらで開催されるらしいのだ。
TDLはアミューズメントパークって伏黒くんが言ってた。だから動きやすい格好がいいかなと思って、髪もまとめたんだけど。
「うなじから背中まで、丸見えだからエロいよねぇ。悠仁と恵、大丈夫かな。特に恵」
「……やっぱり着替えます」
「イヤイヤ、皆実はそれ以外服ないじゃん」
「五条先生の服貸してください」
「ヤダよ。つーか、僕の服ぶかぶかじゃん。寝間着だから許されてるけど、アレを人混みの中で着てたら、僕が襲うよ」
真顔で言われて、ゾワッとした。
そんなことを言うなら、こんな奇抜な服じゃなくてもっと落ち着いた服を買ってくれればいいのに。
「この服こそ『襲ってください』って言ってるようなものじゃないですか」
「うーん、まあそうなんだけど。その服は服としてかわいいじゃん?」
まるで説得力のない返事に頭を抱えた。
「ま、皆実の隣は僕がずっと歩く予定だから、他の男に襲われる心配はないよ。安心しなさい」
「え、五条先生来るんですか?」
「当たり前でしょ。僕、一年生の担任だよ?」
一年生の親睦会だから、てっきり4人で行くんだと思ってた。
五条先生来るんだ。
「僕が行かないのに、皆実をこんなにめかしこむわけないでしょ」
そう言って、五条先生が腰をかがめる。
私のさらけだされた肩に長い腕をもたれかけて、私に視線を合わせた。
「その代わり、僕から離れるなよ」
五条先生がそう口にして、そのまま私に顔を近づけた。