第2章 流呪操術
それから2日間。
私は五条先生の家から出ることを許されなかった。
出て行こうにも寝室とキッチンとトイレ以外、外に出る扉はもちろん、他の部屋にいくための扉も全て外側から鍵がかけられて開けられなかった。
でも困ったなあ。
これからもずっと外に出られないのかな。
監視下ってつまりそういうことなんだろうけど。
お皿を洗いながら考える。
2日間作らされた食事に対する五条先生の発言は「うーん、60点? あ、でもこの目玉焼きは70点くらい」「顔は100点なのにねえ」「うん、普通」以下略。
いずれの発言のときも笑顔だった。
そんな評論家先生は今どこかへ出かけてる。
呪いでも祓ってんのかな。
そしてそのままご飯食べてくればいいと思う。
「ま、外に出ても私にはあんまりいいことないけど」
この部屋は静かだから、居心地がいい。
だからどうにかして外に出たいってわけではないけど。
うーん。
「五条先生と暮らすってのがなあ……」
「ドキドキしちゃう?」
驚いてビクッと肩が揺れた。