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【呪術廻戦】無下限恋愛

第16章 鉄骨娘


※五条視点


 廃墟の上層で、皆実の術式が動いた。


「まーた、僕の言いつけ破ったな」


 言いつけを破って術式を使うのは2度目。

 これは3度目があるね。


「虎杖ですか? もしかして……宿儺に変わった!?」


 恵が慌てて腰を上げる。

 僕はそんな恵をドードーと宥めた。


「違うよ。皆実が術式を使ったんだ」

「……ああ」


 そんなことか、と言いたげに恵が腰を下ろす。

 まあ、そんなことなんだけどさ。


「なんで五条先生は綾瀬に術式使わせたくないんですか?」

「んー? 使えないから」

「こういう実践で使えるようにするもんでしょ」


 恵の顔には「意味不明だ」と書いてる。

 恵のソレは正論。

 でも正論で全部どうにかなるなら世の中こんなに呪いで溢れないよ。

 正論なんて、所詮そんなもん。


「綾瀬の術式ってたしか……」

「流呪操術。自他両方の呪力を操る術式」

「……使いこなせば相当強力な術式じゃないですか」


 そう。皆実の術式は、その解釈次第でいかようにも変化し、強力な効果をもたらす。

 いわば、何でもありな術式。

 今は呪霊の行動を停止することしかできてないけど、術式の解釈を深めれば、おそらく相手の呪力を操作して呪い殺すことだって可能だろう。

 けれど今の皆実がそれを使いこなすには、それなりの対価が必要だ。
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